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「ねぇ、剣心。欧州ではね、白詰草の事をクローバーっていうの」
「クローバーでござるか?」
「妙さんに聞いたのよ。四葉のクローバーを見つけると幸せになれるんだって」
白詰草は三つ葉が多いだがたまに四葉のクローバーが混じっている。
それを見つけると、幸せになれるらしい。
「ちょっと探してみない?」
「いいでござるよ」
薫は剣心の返事を待たずに、四葉のクローバーを探し始めた。
真剣に探している姿は実に可愛いらしい。
薫は一生懸命に探している。
「剣心も立ってないで探してよ」
拙者はクローバーを探すよりも薫殿を見つめていたいそんな言葉を飲みこんだ。
「すまぬ」
剣心はしゃがみ、一緒に探し始める。
「なかなか見つけられないね」
「なかなかないから、有り難みがあるのでござろう」
10分ほど探して飽きたのか薫は呟く。
「そうだけど」
「そろそろ帰ろう、薫殿」
空は真っ赤に染まり、太陽は山に隠れた。
もう日が暮れる。
「そうね。」薫も立ち上がる。
四葉のクローバーと剣心は似ていると思う。
クローバーは人を幸せにしてくれるけど、クローバー自身は幸せになれない。
剣心は人のために剣を振るうけど、そのために大きな罪を背負った。
命がけで、明治という時代を作った英雄でありながら、彼は償いきれない罪を背負い生きている。
今までも、これからも。
自分を犠牲にしても、弱き人々を護るために戦うのだろう。
クローバーは人を幸せにするけど、クローバー自身を幸せにするにはどうしたら良いのだろう?
彼をどんなに好きでも、私は彼の罪を変わりに背負うことは出来ない。
剣心を幸せにするにはどうしたらいいんだろう?
帰り道、薫は呟いた「四葉のクローバー見つけたかったな」
例え言い伝えでも幸せを運ぶ四葉のクローバーを見つけて、剣心にあげたかった。
「また明日探せばいいでござろう。それに、拙者の四葉のクローバーはすぐ傍にある」
「えっ?」
「四葉のクローバーなどなくても、薫殿がいれば拙者は幸せでござるよ」剣心はそう言って穏やかに笑った。
そして、薫の手を握る。
「さあ、帰るでござるよ」
薫の頬は夕焼けのように赤かった。
某様へ捧げるために書こうと思ったネタ。あまりに駄作でここにアップ。
クローバーは、明治時代以降、飼料用として導入されたものが野生化したらしい。
このようにSSをアップしていく予定。
誰も見てないし、いいよね。