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日記と小話
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DNAで辿る日本人10万年の歴史(崎谷満著)
という本を読みました。
とても興味深かったです。
DNAからみる日本人の起源・・非常に面白かった。
単一民族といわれていた日本人は、実は世界でも珍しいくらいの
多様な集団の集まりだったようです。
本の要約と感想は「続きを読む」からみれます。
14万年~20年前、人類はアフリカから生まれたと言うのはご存知だと思います。
DNAを辿るとアフリカの一人の女性にたどり着くというフレーズを聞いたことはありませんか?
遺伝子は、通常両親のDNAが半分ずつ、子供に受け継がれますが、
遺伝子の中のミトコンドリアDNAは、必ず母から子へ受け継がれます。
そのミトコンドリアDNAを辿ると、一人の母親にたどり着くようです。
人類共通の母は、ミトコンドリアイブと呼ばれます。
注意しておかなければ、ならないのは、全ての人類はミトコンドリアイブだけの子孫ではないということです。
他の人類の子孫も残っています。
例えば、ある女性が子供を産んでも、その子孫が現代に残っていても、一度でも、男の子がしか生まれない代があると、その女性のミトコンドリアDNAは途絶えてしまいます。
14~20万年の間、女系が途絶えることなく続いた女性がミトコンドリアイブです。
彼女は、母の母の母の母・・とたどり着く大おばあちゃんのようなものです。
彼女の子孫が、10万年ほどまえにアフリカから旅立ちます。
10万年といえば、長い地球の歴史にとっては本当に最近のことです。
人類は皆兄弟・・といいますが、まさしくその通りである事が、科学的に証明されています。
ミトコンドリアは母方ですが・・父方からも人類の足跡を辿れます。
父方遺伝子・・Y染色体DNAから考える日本人の祖先となった人たちのお話しをします。
Y染色体遺伝子は男性しかもたない遺伝子です。
女性はXXに対し、男性はXYの遺伝子をもつことはご存知だとおもいます。
Y遺伝子は、父親から男の子供へ代々受け継がれていきます。
DNAというのは、長い年月を経て変化していくものです。
その変化を追えば、ヒトが辿ってきた歴史の足跡を追うことができます。
まず、父型遺伝子は大きくAからF18の系統にわけられます。
(最近の技術では、AからIまでの20系統に変わってきているようですが、
ここでは、18系統とし、詳しくわかり次第お伝えします。)
さらに、5つのグループにわけられます。
A系統(アフリカ固有)
B系統(アフリカ固有)
C系統(出アフリカ第一グループ)
DE系統(出アフリカ第二グループ) DとE系統の2系統
FR(FT)系統(出アフリカ第三グループ) F~R(T)系統の13(15)系統
AとB系統はアフリカ固有のものです。
C、DE、FR系統の3グループが全世界に広がっていきます
つまり、アフリカ以外の全世界の人々はこの三つのグループの子孫なのです。
世界のどの地域も、この3グループの子孫のうち、2グループしか見出せないのに対し、
日本はこの3グループ全ての子孫がいる世界でも珍しい国です。
単一民族と信じていた日本は実は世界でも稀に見るほどの
多様な遺伝子をもつ国だったことは驚きです。
アフリカから旅にでた3つのグループの人類が、最後に落ち合った場所・・それが日本だったようです。
むかし、授業で縄文人と渡来系と弥生人が混血し、今の日本ができたと教えられました。
しかし、実はそんな単純な話ではなかったようです。
一言で縄文人といっても、単一のヒト集団ではなく、たくさんのヒト集団が存在していました。
どのような人たちかというと・・
・氷河期にやってきたマンモスハンターのモンゴルに多い北方民族系(C3系統と呼ばれるヒト集団)
・縄文文化の担い手であり、日本にしかいないヒト集団(D2系統と呼ばれるヒトの集団)
・縄文文化とは別に、貝文文化を築いたインド起源の日本にしかいない集団(C1系統と呼ばれるヒト集団)
・北欧・シベリア系のヒト集団(N系統)
・アメリカ先住民系のヒト集団(Q系統)
以上の様々なヒト集団が、大きな戦争をせず共存していました。
そこへ、縄文末期から弥生時代にかけえて、大陸の人々・・・東アジアに多いO系統というヒト集団が混じります。
O系統と一言でいっても、台湾系のO1、稲作を始めてつくった長江文明の末裔(O2系統)、
漢民族系のO3系統が存在しますが、圧倒的に多いのは、漢民族の中華文明に敗れた長江文明のO2系統です。
ごく少数の人集団もあわせて、
C1、C3、D2、D1、N、NO祖型、O1、O2a、O2b、O3,Qという人集団が混血したのが、日本人です。
新天地を目指して日本をきたもの、大陸で敗れたものが、新旧入り混じり、いつの間にか1つになっていったようです。
D2は日本にしかない遺伝子で、日本人の40%がこのDNAを持っています。
彼らの言語が日本語であったと考えられています。
単一民族と信じている日本人は、実は出アフリカを果たした3つのグループ全ての末裔が存在する、世界でも珍しい国です。
大陸はお互いを排除しあうように争い、DNAの存続をかけた凄まじい戦いがおこっていました。
しかし、日本は比較的平和で、お互いを排除しなかったことが、様々なヒト集団を残す結果となったようです。
大陸で負けた集団も日本の優しい環境で、生き残りDNAや文化を残していきました。
日本で一番多いD2系統と、二番目に多いO2b系統は、大陸の敗者だったようです。
D系統は昔、東アジアで最も栄えていたヒト集団でしたが、他の集団に山岳地帯(主にチベット、チベットはD1とD3系統を多く持つ)と島国(日本、D2系統をもつ)に追いやられました。
O2系統は、黄河文明より先に華を開いた、稲作を作った長江文明文明の子孫です。
彼らは漢民族系に負け、一部(o2a)が東南アジアへ逃げたり漢民族へ同化したりし、
一部(O2b)が韓国、日本に逃げました。
彼らのもつ技術は素晴らしいものでしたが、あまり戦いにはむいていなかったようです。
長江文明は、金属器をほとんど使わず(=武器が少ない)、縄文人は、ヒトを殺す武器すら発明せずに、自然と一体となり生活していたようです。
彼らは武器を作るより、質の高い土器や土偶や玉器、木造建築などを作っている方が性にあっていたようです。
日本人の文化は、C1の貝文文化、C3の北方系狩猟文化、D2系統の縄文文化、O2の長江文明、O3の中華文明などが共存するどことか、それぞれの文化の欠点を補うような形・・いわゆる共生しなかがら存在しています。
このことから、様々な人集団は、長い年月を経ていつのまにか共存・同化していったようです。
先進国の中でも、とりわけ犯罪率が低い日本。
日本の長い歴史を見ても、世界に比べればずっと平和な歴史を築いてきました。
世界で一番長い王朝があったり・・
平安時代に300年も死刑がなかったり(世界的に前例がない)
戦国時代でも人口は増えていたり、(戦乱の世の中、普通は激減する)
戦国時代でも当時の欧州や中国より平和だったといわれたり、
江戸は世界で一番治安がよい都市だった・・
唯一の革命(?)ともいわれる明治維新の犠牲者はフランス革命と桁が2桁ちがったり
(明治維新は西南戦争もいれて犠牲者は約2万、フランス革命は約200万)
するのは、平和を愛したご先祖さまの血をひいているからでしょうか
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